【要約】2050年の予測地図を作って、サイトに載せないことにした話 [Zenn_Python] | Summary by TechDistill
> Source: Zenn_Python
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// Problem
筆者が、高解像度な2050年の地表面温度予測地図を作成しようとした際、予測値の信頼性が著しく低いという問題に直面した。
- ・夜間の予測において、予測値の「偏り(Bias)」が、予測したい昇温信号の約7割に達した。
- ・昼間の予測では、昇温信号に対してRMSE(誤差の散らばり)が19倍と極めて大きく、地図がノイズ化した。
- ・特徴量(気温・湿度等)では説明できない、夜間の地表面温度の加速的な上昇が残差として存在した。
// Approach
筆者は、粗い気象モデルから詳細な格子データを推定するため、統計的ダウンスケーリングを採用した。
- ・「気温・湿度・市街地率・緯度」を特徴量とし、過去25年分のデータから地表面温度を推定するモデルを学習。
- ・気候モデルの絶対値のズレを解消するため、モデルの過去期間と観測値の差分を用いる差分法を適用。
- ・モデルの汎化性能を測るため、2000〜2019年で学習し、2020〜2024年で検証する「暖年抜き取り法」を実施。
// Result
予測地図の公開は見送られたが、データサイエンスにおける重要な知見が得られた。
- ・夜間の予測における「説明できない上昇」が、空間単位を変えても有意であることを突き止めた。
- ・予測の「信号」と「偏り」を比較し、偏りが信号と同等であれば予測として成立しないことを実証した。
- ・検証プロセスや失敗の理由をコードと共に公開し、後続の研究者への知見共有を行った。
Senior Engineer Insight
> 予測モデルの評価において、RMSE(散らばり)だけでなくBias(偏り)の重要性を再認識させる事例である。特に、予測したい変化量(信号)に対して、誤差が同等のオーダーであれば、そのモデルは実用性に欠ける。また、特徴量で説明できないトレンドが残差に現れた際、安易に「年」を特徴量に加えず、現象の物理的背景を疑う姿勢は、実戦的なデータ分析において極めて重要である。