【要約】割安株は本当に儲かるのか? 日本株ほぼ全銘柄で検証したら、TOPIXに勝てなかった [Zenn_Python] | Summary by TechDistill
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// Problem
投資家が、既存の財務指標を用いて割安な銘柄を選定しようとする際、期待値を正確に評価できない問題に直面している。著者は、従来の指標では以下の課題を解決できないと指摘した。
- ・PER等の指標が、現預金や土地などの資産価値を評価に含めていない。
- ・「いかにも良さそうな条件」が、必ずしも期待値を改善するとは限らない。
- ・バックテストの結果が、手法の実力か偶然かを判断する基準が不明確である。
// Approach
著者は、資産の換金性を考慮した独自の指標を導入し、日本株の全銘柄を対象としたバックテストを行った。検証のプロセスは以下の通りである。
- ・保守的NAVの算出:現預金(100%)、有価証券(100%)、売掛金(80%)、棚卸資産(30%)、土地(70%)、建物(30%)、機械設備(10%)、負債(100%)として重み付けを実施。
- ・データ収集:J-QuantsおよびEDINETを使用し、約3,000銘柄を対象とした。
- ・検証手法:月次で投資条件を判定し、6・12・24か月後のリターンをTOPIXと比較した。
- ・比較対象:キャッシュニュートラルPERや、営業利益・CFベースの条件も併せて検証した。
// Result
検証の結果、著者は全ての検証条件においてTOPIXに敗北したことを確認した。ただし、特定の条件においてリターンの分布に改善が見られた。
- ・保守的NAV/時価総額 ≥ 1.2 の条件:24か月リターンは35.6%となり、ベースライン(20.5%)よりは改善した。
- ・リスクの低減:NAV条件では、大幅な下落を記録した銘柄の観測が減少する傾向が見られた。
- ・結論:本検証は「アルファの発見」ではなく、「有望な仮説への絞り込み」に留まった。
Senior Engineer Insight
> バックテストにおける「検証の誠実さ」を高く評価する。著者が自ら選択バイアスや統計的有意性の不足を認めている点は、モデル開発におけるリスク管理として極めて重要だ。しかし、生存者バイアスや配当・手数料の未考慮など、モデルの不完全性は依然として大きい。実戦投入には、検証に使用していない期間(ホールドアウト)での再現性確認が不可欠である。単なる「勝てる条件」探しではなく、モデルの限界を定義する姿勢こそが、信頼に足るシステム構築の要諦である。