【要約】オンとオフしかないスイッチで、モータに正弦波を届ける ―― PWM インバータを波形で確かめる [Zenn_Python] | Summary by TechDistill
> Source: Zenn_Python
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// Problem
制御理論を実機に適用する際、エンジニアは理想的な電圧指令と物理的なスイッチング動作の乖離に直面する。制御ソフトが求める連続的な電圧は、実機のスイッチングによって離散的なパルスへと変換されるため、以下の問題が生じる。
- ・スイッチングに伴う電流リプルの発生。
- ・デッドタイムによる電圧の歪みと、低速域での制御性能低下。
- ・DCバス電圧に起因する、モータ回転数の物理的な天井。
// Approach
筆者は、Pythonを用いた時間領域の差分シミュレーションにより、スイッチングから正弦波生成までのプロセスをモデル化した。オイラー法を用いて、物理現象を以下のステップで再現している。
- ・PWM(パルス幅変調)によるデューティ比制御。
- ・デッドタイムの導入による短絡防止と電圧歪みの再現。
- ・コモンモード電圧注入による電圧利用率の向上。
- ・FOC(ベクトル制御)を用いた電流ループの閉制御。
// Result
シミュレーションを通じて、変調方式やスイッチング周波数がモータ性能に与える影響を定量的に示した。設計者は以下の知見を得られる。
- ・スイッチング周波数の向上により、電流リプルを大幅に低減(20kHzで80.6mA)。
- ・デッドタイム導入時のTHD(全高調波歪み)が0.4%から12.9%へ悪化。
- ・コモンモード注入により、最高回転数を約15%向上(132.8→153.4 rad/s)。
Senior Engineer Insight
> 理論値と実機の乖離を、シミュレーションで「見える化」している点が実戦的である。特にデッドタイムによる低速域の歪みや、電圧利用率の限界は、高精度なモータ制御において設計の成否を分ける。ただし、本モデルは理想スイッチを前提としているため、実機投入時にはスイッチング損失や寄生インダクタンスによるサージを別途考慮する必要がある。